スッポリと背中から包みこまれるように、私はその人の腕の中にいた。


誰?


…。っていうか、人?


段々意識がハッキリしてきた。

私、雪路様に刺されて死んだんじゃなかったっけ?


そうだ、早時様の赤ちゃんができて…。


待って。私は誰?


「混乱しているようだな。
無理もない。
覚醒したばかりだ。」


聞き覚えのある声がした。