「今日で最後だったんだね。……いよいよ明日は引っ越しかぁ」
引っ越しすることを告げられてから、初めて凉菜が引っ越しのことに触れた。
「荷物の準備は出来た?」
「それがかなり大変だったの!整理整頓ができてなかった自分を哀れんだよ」
苦笑。それは今までのお前が悪いな。
「……明日、いつ行くんだ?」
明日は運良く学校がない。だから見送りに行けるんだ。
「多分…夕方。あ!見送りは来なくていいからね!」
「は?なんで?」
「優輔の顔は見たくない」
彼氏に面と向かって言うなよ。そんなに嫌な顔してんのか、俺?
「じゃあ、山西は?」
「来るって言ってた」
俺はダメで山西はいいのかよ。
「優輔とはたくさん居すぎたからもういいってこと!じゃ、ありがとうねっ!」
気づけば凉菜ん家に着いていた。持っていた荷物を全て取られ、凉菜は大きく手を振って家の中に入っていった。