先生は、また右の口元を少し上げて、フッと笑った。 ちっ。 それがムカつく。 睡眠を邪魔されたイライラと、負けた気分な先生との会話のイライラが、ムカムカと胸を渦巻いていると。 「ねぇ恭ちゃん、いいじゃん!だって佐藤さん、めちゃくちゃ頭いいんだしぃ!」 どこからか、そんな女子の声が聞こえた。 「だそうですけど?」 素晴らしいタイミングの助け船に乗ることにしよう。 今度は私が、少し口元を緩め、ニヒルに笑ってみせる。 ふふん、と鼻息が聞こえそうなばかりに。