先生が私にピアスを見せた時のように、私も先生にイチゴ味のアメを見せた。
このデカい人がこのアメを好きだということを思い出して、少し笑ってしまったけれど。
「さようなら、せんせ」
私が振り返ってから、そう言ってドアを閉めるまで。
私に、そんなこと言われると思っていなかったのか、終始先生は、ポカーンとした顔をしていた。
最後のあの顔、先生を負かした気分だ。
終わり良ければ全て良し。
いろいろイヤなことがあったけれど、最終的には先生の“普通”じゃなきゃアリエナイ顔を見られたのだから良しとしよう。
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