また強がりを言った。 こんなところが子どもっぽいのかと思ったが、もう遅い。 「何も出来ない年のヤツが、紅いピアスね。 それはそれで、いいんだが。」 「結婚は出来ますけど。」 「親の承諾があればな」 この教師、また私を子ども扱いしてからかってやがる。 つい溢してしまった感謝を取り消してやりたい。 さっきまでは本当に嬉しかったのだ。 彼にまだ似合っていられたのかと。 一瞬、彼の隣を歩いていたことを思い出してしまうほどに。 もう、そんなことはあるはずないと分かっているのに。