耳朶の定位置に、私の紅いピアスがある。 触れれば分かる程に、馴染んだその位置に。 「だけど、お前には少し大人っぽいな。」 この部屋が暑いのだろうか。 違う、左耳と頭だけが熱い。 先生に触れられてから、ずっと。 「それは、私が子どもっぽいと?」 自分でもさっき思ったけど、先生に言われれば、なぜかムカつき、突っかかってしまう。 「お前、何歳だ?」 「卒業式の日に、18歳になりますけど。」 まだ17歳だとは言いたくなかった。 17歳と18歳の違いは、大きいように感じたから。