「そんなはしたない格好でよく橋梯子渡ってこれるな」

みのるは少し怒ったような口調で言うと、アリスの顔が歪み始め「えぐ・・・ひっく・・・あ、ああ・・・」という感じになってきた。その時、みのるは本能的に直感する。

ヤバい。

「あ、アリス、ごめ・・・!」

「うわぁぁぁぁぁぁん!みのる、私が何かしたの?」

事態の沈静化を図る前に、アリスは泣いてしまった。昔から一緒に遊んでいるみのるだが、いつも何かあったら泣いている。

頭は良いのに精神年齢は低い。

それは高校生になれば改善されると思ったが考えは甘かったらしい。まったく変わっちゃい無いのだから。

今も昔も、恐らくはまだまだ未来も。


「ごめん、アイスクリームあげるから泣き止んで?」

「・・・うん」

泣く娘を黙らすならお菓子が一番。これもアリスと一緒に遊んでいて手に入れた昔ながらの知恵である。

良いのか嫌なのか、それはみんなの思考にお任せしよう。