とても、悲しいことじゃない……





「でも、父親って感じがしないから、お父さんって呼べなくて…。名前を教えてもらったから、優都さんって呼んでた。優都も、『これから思い出作ろう。名前、呼んでもらえるようにお前と一緒にいてやる』って」






実の息子にさん付けで呼ばれるって、寂しいことじゃない…?





「それから優都は出来る限りの時間、俺にいろんなこと教えてくれた。でも、俺が小学校六年生のときかな…高校生になった茜はあんまり家に帰らなくなって。優都と母さんも新しいプロジェクトで忙しくなって…」





また、颯斗が1人になった……




「俺は毎日、メシは1人で食ってたよ。正直、家族ってなにかわからなかった」






颯斗はあんまり、心込めて作った手作りのご飯…食べたことなかったんだ……





だから、あたしの料理が好きなんだ…





颯斗さんのためだけに、心を込めて作った料理が…