バージンロードをお父さんと腕を組んで歩く。

まるで恋人同士みたい。
ううん、今はお父さんが恋人。
そんな気持ちでいた。
少し先で待つ尊までもうちょっと。
尊にバトンタッチするのが…お父さんから離れたくない…
もう少しだけ…このまま…
いつまでも組んだ腕を離さない咲に博貴は耳元で囁いた。

「……」

咲は頷いて尊の腕を取った。

神父様の言葉に誓いを立て、指輪を交換する。

「ここに二人を夫婦と認めます。」

この言葉に尊の両親と博貴は拍手した。

教会の扉が開いて外に出ると、いつ集まったのかたくさんの人がいた。

驚いて呆然としていると「咲。」と呼ばれてそちらへ視線を移した。

「おめでと。」

友美と佐古田先輩。
よく見ると集まった人たちは知った顔ばかり。

友美が中学時代のクラスメートやクラブの仲間に声をかけて、こんなにたくさんの人が来てくれた。
テニス部の人には友美の従姉妹の先輩が協力してくれたらしい。