授業が始まってるせいか、学校の廊下は静かだった。


あたしはこう見えても優等生なほうだから、遅刻は正直屈辱だった。

中学校も無遅刻無欠勤だったことを誇りに思っていたのに。



確か、次の授業は国語だ。

国語の先生はちょっと変わってるせいか、出欠も確認しない。

もしかしたらうまく誤魔化せて、書類上、遅刻の汚点は消せるかも。


あたしは冒険気分で、教室の後ろのドアへ向かった。


あたしの席は窓際の一番後ろ。

眼がそんなに良くないから、前の席がいいんだけど、あたしのくじ運は良くないらしく、いつも後ろのほうの席だ。


しかし、今回はそれが功を奏した。


上機嫌で後ろのドアを静かに開けた。