「…芽衣」
「ーーちょっと! めーちゃんだって!」
「芽衣、次の授業遅れるよ」
「めーちゃん、ほら、めーちゃんだよ」
「あー、次数学だっけ? 確か宿題のプリントあったよね」
「……ホント!? わたしそんなの知らないっ! 聞いてないよ」
ーー作戦成功。
「言ってたから、先生。芽衣が寝てたからでしょ」
「……みーちゃんお願い! プリント見せてー」
「いいけど、あと五分だよ」
「根性で頑張る」
必死で書き写して行く芽衣に微笑むと、あたしは窓の外へ目をやった。
……芽衣との時間を楽しく思う自分がいる。
長い間、友達との縁がなかったあたしにとっては、嬉しいことだった。
