-未来へ-



ずっと
透明人間になりたかった。

誰の目にも
とまらないように

消えてしまいたかった。



だけどもう
僕らはそんな
無力な子供じゃない。



ふたり同じだけ
年をとって

僕の腕は
ほんの少し逞しくなって

君の日焼けが
落ち着いて



二人の間に芽生えた

確かな命。




カッコ悪くても
逢えなくても

君への想いを
必死で育てたように



この新しい命を

育てていこう。






そしていつか

僕らの髪が白くなって


それぞれの想いを
振り返る時があったなら



その時は
君にこう言うだろう。




“君を愛する事こそが

 
 僕の歩む道

 そのものでした”





-END-