「あ!」 短く声を上げた彼女に 俺は、どうした?と問う。 「今、動いたの」 さっきの不機嫌なんか忘れたように お腹に両手を当てて 笑顔で俺を見上げるさくら。 「マジで?!」 俺は彼女のお腹に顔を押し当て その場所の奥にある 新しい命の存在に 耳をすませた。