――【あなたがこの島に移住を決めた理由は?】


――【……日本で最後に沈む夕日を見ることができるから、です】




同じページばかりを開きすぎて、すっかり型のついてしまったその雑誌を


西に向かう飛行機の中

俺は読み返す。



インタビューの写真の彼女は

俺の記憶よりずっと日焼けして

化粧っ気が無くなって


そしてますます
可愛くなった。



長い間、待たせてごめん。






迎えに行くよ――…



―――――
――――
―――




「――嘘……」




「嘘じゃないよ」




日本で最後に
沈む夕日が

彼女の右手の
指輪を照らして




ああ……


やっと見れたね


与那国の夕日。





すごく
綺麗だ……。



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