何故か強い確信を抱きながら

俺は携帯の着信画面を見る。


「―――…っ」


我慢しろよ俺?

出ちゃいけない。



聞いたら

俺、きっと……。




「………」


『……レオ?』



きっと――…



『未練がましくて、ゴメン。もう会わない方がいいって、分かってる』


「……」


『けど、どうしても会いたくて。今、駅にいるの』



―――…っ…


俺は電話を切った。



一度だけ
深く息を吸うと



俺は走り出した。





――俺には…


俺には母親なんか居なかったけど

俺には愛なんか無かったけど


だけど

君のもとへと駆けつける

二本の足があって




そして



「――逢いたかった……!」



君を抱きしめる

腕があって。