彼氏と思われるその男といる時も、彼女は笑わなかった―――笑うふりをする事はあっても。


きっと彼氏は知らないんだろう。

そして本人ですら気付いていないだろう。


彼女の本当の笑顔がどれだけ綺麗か。


一瞬
はにかむようにうつむいて

そして目を細めながら
顔を上げる。


その瞳からは
キラキラこぼれる光。




……その笑顔をもっと見せてください。



僕は


君の前に


現れても
イイデスカ―――…?





――――――
――――
―――




「ツツモタセ」






――…ねえ


君は覚えてる?




俺たちが初めて話した
あの日の事を。




俺は突然思いついた
悪戯を装い


君はきっと
そんな俺の
下手な嘘を信じたんだろう。




だから

この先もずっと
内緒にしておくよ。