【出逢い】



運命なんていう言葉を使うほど

俺はロマンチストなわけじゃないから


君を
見つけられた事は


ツイてない俺に
神様がくれた



最高のプレゼントだったのだと思う。





こんなこと君に言ったら

『充分ロマンチストじゃない』

そう言って
笑うだろうけど。











俺は中学卒業と同時に、出張ホストとして働き始めた。

雇い主は成瀬のおじさん。


名目上は
『本番禁止。サービスは奉仕のみ』
だったこの店には

『だが、あとは本人同士の交渉に任せる』

という暗黙の了解があり

俺は数え切れないくらいの女の人と、体の関係を持った。


正直言って、この頃の俺の毎日、めちゃくちゃだった。


あかの他人から向けられる、愛欲にまみれた世界は

俺の視界に白濁した膜を張り

それは俺にとって
とてつもなく楽な場所に思えた。




そんな日々に


突然もたらされた

君との出逢い。