半強制的に始まったユリカとの交際だったが、俺は徐々に彼女に惹かれていった。


ユリカが口にする

『ずっとそばにいたい』
『毎日電話したい』

そんな気持ちに共感するまでには至らなかったけど


俺なりに
彼女を大事にしたい。

そう思い始めていた。





だがそんな日々も
半年であっけなく幕を降ろす。



「あたし達、もう終わりでしょう?」


下校途中、いつもの様にマックで休憩していたら

ユリカが紙ナプキンで唇をぬぐいながら

低く呟いた。



「……へ?」

俺は食べていたポテトを口から半分ぶらさげた状態で、間抜けな声を出す。


「あたし達、もう、終わりでしょう?」

さっきよりゆっくりと、聞き取りやすい発音でユリカは繰り返す。


……終わりでしょう?って…


「なんで…?」

「それを隼人が望んでるの、あたし分かってるよ?」


俺が
望んでる?


「隼人、いつまでたってもキス以上のこと求めないじゃない」

「――それはっ…」

「こないだあたしから誘って断られたの……辛かったよ?」

「――…っ」