俺は絹の感触がする髪に手を伸ばし、もう一度耳にかけてやる。


「――…」


ユリカは目を丸くして顔を上げた。
その頬はみるみる赤く染まっていった。


「……彼女、作らないの?」


ユリカの声は震えてる。


「作らない、ってわけじゃ…」

「じゃああたしを彼女にしてよ!」


真正面から切実な瞳で訴えかけられ、俺は一歩、後ろに下がった。


「あたし、いい彼女になるよ?尽くすしさ!ね!」


まるで選挙演説で公約を述べる政治家のように、ユリカは熱っぽい口調で俺の一票を求めた。


「……う、うん」


迫力に負けた俺の口から、そんな返事が漏れる。


「いいの?」

「うん……」

「やったぁ!」


俺とほとんど高さの違わない顔が、すごい勢いで接近し

ぐにゃり、と奇妙な感触と共に、唇が触れ合った。



「…………」



こうして


俺は初めての彼女を“作成”。