一晩降り続けた嵐は 皮肉にも明け方やんで 僕はこの部屋を出て行くことを 改めて決意する。 波打つように乱れたシーツ。 それに包まり ひっそりと寝息をたてる彼女。 窓の外の芝生が 雨粒を残して濡れているように 彼女の頬にも 一夜分の哀しみの跡が残る。 その頬にキスはしない。 君を 起こしてしまうから。