しばらく歩いていると
「波奈先輩!!春弥!!」
「摩乃」
「もー朝からラブラブですねー」
あっ!
手繋いだままだった。
「良かったね、春弥」
「あぁ」
「波奈先輩。
幸せそうな顔してますよ」
「えっ!?」
嘘でしょ!?
「ハハッ、お幸せに。
春弥、波奈の事先輩大事にするんだよ」
「んな事分かってるよ」
そして摩乃は笑いながら、でも少し悲しそうな顔をして走って行った。
摩乃ごめんね…
「波奈?」
「えっ?
何?」
「どうしたの?
いきなり黙りこんで?」
「んー…
摩乃さっき一瞬だったけど、悲しそうな顔してた…」
それはそうだよね。
好きだった人に彼女が出来ちゃったもんね…
「大丈夫だよ。
アイツなら……」
「そうだよね」
摩乃にはきっとまた素敵な人が現れるよ。

