屋上へ行って、30分に満たないおしゃべりを週に数回。

めがねくんの話す話は、時には都市伝説じみた不思議な話だったり、時には量子力学の話だったりと、様々なジャンルから面白い話を沢山してくれた。

クラスの男子にはない、不思議な雰囲気と、会話の端々から感じる知性に、私はいつの間にかすっかり彼の事が大好きになっていた。



「………もう寒いけど、冬になっても、めがねくんはここにいるの?」


ひゅう、と冷たい風が吹き、思わず身を縮こまらせる。

これからどんどん秋から冬へ変わっていくだろう。



「……どうかな?」


曖昧に、めがねくんは笑う。



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