ぎぃ、と重い扉を開く。 外の風が、吹き付ける。冷たい。 「あ、いた。」 扉を開けた先に、すぐに目的の人物を見つける。 「めがねくん」 呼べば、振り返る。 ああ、やっぱり。 「めがねちゃん」 ぱたぱたと小走りで、屋上の柵によりかかっている彼の元へ駆け寄る。 「もう寒いね」 「そうだね、」 私より20センチくらい背の高いめがねくんは、柔らかく笑って私に返す。 .