────後日、ミナは売られた。


その後、違法キャバに沈められて、
サツにしょっぴかれたと
風の噂で聞いた。



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──────……


「リンー」



マサル先輩は、

ミナを失ったあたしと
一緒にいることが多くなった。


しかも、かけられる言葉は
“可哀想”とか“お気の毒”
じゃなくて。



「よかったな」


「……あたし、
ダチ失ったんだけどぉ?」


「良いじゃん、別に。

それともミナって、
身体を張ってでも守らなきゃ
いけないような女だったのか?」



マサル先輩は茶色の髪を
くるくるいじりながら、

あたしに問う。


その質問がバカらしくて、
あたしは吹き出した。