「お前…………」


黒い服の男が口を開く。


低いテノールな声。

怖さはない。


逆に落ち着く………そう思ってしまうほど
穏やかなものだった。



「お前‥‥‥俺が見えるのか?」

‥‥‥‥この人は何を当たり前の事を聞くのだろう。

‥‥‥‥バリバリ見えてます。

イエスと言う意味で首を縦に振る。


「‥‥‥マジかよ。」


そう言いながらなぜか慌て出す男の人