部屋で重たい国語辞典を、家族、兄弟の顔を思い出しながらペラペラとめくる。

「今日はこれぐらい」


と、最初の数ページに手を掛けてビリビリと破った。

ごめんなさい。ごめんなさいと自国の言葉でつぶやき破った。

無駄にしないためにも、一生懸命に破ったページを読み出した。


最初の『あ』のページでいきなり読み進めることが困難になった。