そして天使は闇へ堕ちる


リュリュカは一つ一つ扉を開いてはゼロを探した

しかし、この広い城内

一人で探すのには限界があった

「どこに行ったの?」

気づけば知らない所まで足を運んでしまったリュリュカは、緊張で身体が震えた

「魔王、いるの?」

遠慮がちに呼ぶも、ただ虚しく響くだけ

リュリュカは肩を擦りながら辺りを見渡し、目についた部屋のドアに手をかけた

「失礼しまーす......」

ゆっくりと扉を開いて中に入るリュリュカ

中は物置部屋状態で、埃が充満していた

カーテンやベッドはボロボロ

何か割れたのだろう。ガラスの破片が床に散らばっていた

これは酷い

鼻に手を押さえて部屋を見渡す

ギィッ

リュリュカは何かを踏んでいることに気づいて一歩後ずさる

これは?

踏んでいた物を持ち上げ、息をかけて埃を払う