そして天使は闇へ堕ちる



「お前に話す事などない」


ゼロは冷たくあしらい、リュリュカを睨む


「俺の中に入ってくるな……」


顔を歪ませ、低く唸るようにゼロは言った


そしてゼロは寝室から出て行った


「まっ!」


引き留めようと伸ばしかけた手をリュリュカは引っ込めた


後ろ姿を見送ることしか出来なかった


今引き留めても何もできないと思ったからだ


引き留めて、その先どうするべきかリュリュカはわからなかった


でもリュリュカは一つだけわかっている事がある

ゼロは何かに苦しんでいると云うことに――


そしてリュリュカは、ゼロには伝えきれてない思いがある


自分はただの興味本位じゃないって事


純粋に魔王の事が知りたいだけ


助けられたように私も彼を助けたい






ただ、それだけ……




本当にそれだけ……?