そして天使は闇へ堕ちる



「ごめんねヴァイオレット。やっぱ行けないよ」


「どうしても無理?」


「……うん」


「……そっかぁ。まぁ仕方ないよね。リュリュカは王妃様だし、前に命狙われかけたんだもん」


「ごめんね」


「いいの気にしないで!私なんか無神経な事言ったよね。私こそごめんね?」


ヴァイオレットは立ち上がり、腕を上げて大きく背伸びをした


そして頬をピシャリと叩いてリュリュカに微笑みかける


「お祭りの日に私、お土産買ってくるよ。楽しみに待ってて」


「うん。楽しみにしてるよ」


リュリュカはヴァイオレットに微笑み返す


そしてリュリュカは立ち上がり、数冊の本を手にした


「もう部屋にもどるよ」

「まだ3時半よ?もしかして気分を害した?」


「違うの。ちょっと眠くなったから」


「そう?じゃぁ部屋まで送るわ」


ヴァイオレットはポケットから小さく畳んだベールを取り出し、リュリュカにそっとかけてあげた