「知らん」


そう一言ゼロは言い放った


「そう。知らないのか……て、なんでよ!」


「知らないものは知らない。もうどうでもいいだろ」


鬱陶しそうに眉を寄せて、ゼロは残りの紅茶を飲んでいく


リュリュカはただ、ゼロの答えに呆然としていた

けど、なんだか可笑しくなって小さな笑みが浮かぶ


「何故笑う」


「別に。あぁ、魔王はお変わりする?」


はにかみながらティーポットを持ってゼロに一応聞いてみる


「あぁ」


気に入ったのか、躊躇うことなくティーカップを前に突き出す


いらないと断られると思っていたため、リュリュカは少し驚いてしまった

が、ちゃんとゼロのカップに紅茶を注ぐ