別にこれはヴァイオレットに云われたからじゃなく、ビックリしただけ!
そう、ビックリしただけなんだから!
リュリュカは心の中でそう自分に言い聞かせた
そうして自分を落ち着かせて、ゼロにある提案を持ちかける
「座らない?立っててもあれだし」
リュリュカは緩くなった拘束からするりと抜け出し、先程まで座っていた席に腰をおろす
それに続くようにゼロは黙ってリュリュカの向かい側の椅子に座った
なんだか気まずい空気が流れ出す
まずどうすれば良いのかリュリュカは考えていると、先に口を開いたのはゼロの方だった
「まさか、お前から俺を求めてくるなんてな」
「変な言い方はやめて。それに私がいつ、どこであなたを求めたのよ」
「今さっき。行こうとしてた俺を止めただろう?」
「別に意味なんて……」
「ならなぜ止めた」
「…………」
自分でもわからないリュリュカは、何も言うことが出来なかった

