「ようこそおいでくださいました陛下」
「茶の支度を」
「かしこまりました」
頭を下げてヴァイオレットは早速お茶の準備に取りかかる
「待ってヴァイオレット。支度しなくていいから!」
リュリュカが声を張り上げる
「でも、せっかく陛下と一緒に過ごせる時間なのに……。あ!もしかして照れてるの?」
「はいっ!?」
「安心して!支度が済んだらすぐ出て行くから。楽しんでね」
ひらひらと手を振って満面な笑みでウィンクをするヴァイオレット
「そうじゃなくてぇ!」
「大丈夫だよリュリュカ。では陛下、新しいのをお持ちしますので少々お待ちください」
そして弁解の余地もなく、ヴァイオレットは温室をあとにした
「照れているのか?」
「照れてません」
覗き込んでこようとするゼロから必死になって顔を背ける
ヴァイオレットに言われてから顔が火照って仕方ない

