そして天使は闇へ堕ちる



「陛下が他人を気にするなんて。そんなに彼女が大事?」


「はぐらかすな。俺が聞いてる。さっさと答えろ」


「それなら特に何も。と、言っておくよ。言っただろう?息抜きだって。そしたらたまたま入ったとこにリュリュカがいただけだ」


ただそれだけだよ?


シェゾはゼロの腕をつかみ、簡単に離させた


「あの女に近寄るな」


「随分彼女にご執心だね。一体なにが陛下をここまで変えたんだろう。彼女特有の香り?それとも彼女自身かな?」


「馬鹿げてる。俺は何も変わってはいない」


「そうかな?思い当たる節、あるんじゃないのかな?現に僕は変えられたよ。退屈な日々がましになった」


そうシェゾが言うと、ゼロは何も言えなくなった

確かに変わった


最初は天使だから、ほかの悪魔どもを妻に迎えるくらいならと選んだ


邪魔なら捨てるつもりだった


それなのに自分から探しに行ったり、迎えに行ったりと自分らしからぬ行動をとるようになった