☆ ☆ ☆


嗅いだことのある甘い芳香にゾノは城へと近づく者に気がついた


「陛下!」


ゾノは宮殿の門にて主を待っていた


やっと帰ってきたゼロの姿を見ると、胸をなで下ろして安堵の息を吐く


「王妃様は?」


「この中」


ちらりとマントの中からリュリュカを抱き上げてるのを見せる


「よかった。ロキを送ったんだが、無事みたいだな」



「無事だと?あいつの所為でこいつは……」


「そういえばシェゾ様は?」


リュリュカとシェゾは一緒に出掛けたから、シェゾも連れて戻ってくると思っていたゾノ


「僕ならここだよ」


ゼロにとっては顔も合わせたくない奴の声が耳に入り、苛立ちを隠せない

腕を組んで門にもたれるシェゾ


二人の視線がシェゾへと注がれると、ゆっくりとゼロのそばによる