「寝てろ」 包み込むように抱きしめる 不器用にも子供を宥めるように背中をなでられ、その気遣いに嬉しさを感じたリュリュカは素直にゼロの胸に身体を預けた 「ありがとう魔王」 「いいから早く寝ろ」 「うん。……ここ本当に綺麗なとこ。どうしてここに連れてきたの?」 返事はない 返ってくるのは優しい愛撫だけ 波の音がリュリュカの耳に心地よく響く 花の甘い香りとゼロの温もりに、リュリュカはゆっくり夢へと誘われたのだった