「ごめんなさい……」
リュリュカはぽつりと呟いた
ぐすりと鼻をすする音がゼロの耳に伝わる
しかしゼロはなにも言わずに羽根を羽ばたかせて空高く飛び立つ
二人の間に沈黙が走る
飛んでいると風がリュリュカを優しく包み込み、そっとベールを持ち去ってしまった
「あっ」
リュリュカは手を伸ばして掴もうとするが届かず、ベールは空へと舞う
それでもゼロはなにも言わなかった
そうやって飛び続けていると、ゼロは在るところに降り立った
そこは宮殿ではなく、海のそばにある崖の上だった
崖の上は花が咲き乱れ、本当に悪魔界なのかと疑いたくなるくらいそこは幻想的だった

