「やだ大変!血が出てますよ!早く治療しなきゃ」
「お気遣いありがとうございます。けど私、先を急いでますので」
「そんな怪我じゃ危ないわ。ほら、早く見せてみて」
ゆっくりと距離を縮めてくる女を警戒し、リュリュカは距離を置こうと後ずさる
「やだ逃げないで?"私たち"はあなたが心配なだけよ」
「私たちって……あっ!」
気づいたときにはもう遅かった
振り向くと、リュリュカの後ろに他の悪魔が
そして女の後にも悪魔たちが
退路を断たれ、完全に逃げ場を失ってしまった
しまった。これじゃぁ逃げらんない
ぎゅっと手を握りしめてどうやってこの場から逃げ出せるか頭をフルに使うが、緊張と恐怖で考えが全然まとまらない
「あなた天使ね。城から逃げてきたんでしょ?大丈夫、私たちは優しいからすぐに楽にさせてあげる」
「こ、こな……い、で……」
精一杯の強気を言うが、恐怖で言葉にならない
恐怖によって自分は殺されるのだと確信できる

