血の香りにあてられた無数の悪魔たちは完全に理性を失い、本能に身を任せた状態だった
そんな様子をシェゾはただ黙ってみていた
「凄い、凄いよ。彼女の血は予想以上に悪魔を引き寄せている!」
先程指で拭いとった血を舌で舐めとる
「さぁゼロ。お前はどうでる?」
他人には無関心なゼロが選んだ女……
あいつがどうでるか楽しみで仕方ないよ
シェゾはベンチへと腰掛け、未だ残る甘美な匂いに軽く酔いしれる
「まだ生きているかな?」
長い間無駄に時間を過ごしていたシェゾは日々退屈としか感じられなかった
普段は部屋に引きこもり、本を読んだり色々研究してみたりしているが、すぐにそれは終わってしまい、また退屈な時間に逆戻り
だけど今日は違う
興味をそそる物が出来た
ゼロ同様他人対して無関心なシェゾが興味を持つのはゼロが関係しているからだ
ゼロの変化はシェゾの興味を引いた
「ゼロは気づいているのかな」
心の変化に――…

