そして天使は闇へ堕ちる



「何が目的なの?」


負けじと睨みつけるリュリュカに対して、何も気にとめないように口についたリュリュカの血を指で拭う


「興味があるんだ、君という存在に。本当に最高だね。君は謎が多すぎるよ」


一歩。また一歩とシェゾはリュリュカに近づく


その時、リュリュカは辺りの様子がガラリと変わったことに気づく


今までリュリュカを気にもとめなかった悪魔たちが、あきらかにリュリュカを見ている


その目は恐ろしい、獣の瞳


「逃げた方がいいよ。もう君の血で理性を失って狂っているみたいだね」

「っ……」


ニヤニヤと下品な笑みを見てあの日の夜の事が鮮明に蘇る


逃げなきゃ殺される!


リュリュカはシェゾを見ることなく、走り出した

この足を止めれば死ぬ


リュリュカは無我夢中になって走りつづけた


だがそれに続くように悪魔たちは追いかけていく