そして天使は闇へ堕ちる



「城の外か」


ゼロは小さな声で呟くと、仕事を放り出して慌ただしく出て行ってしまった


ゾノに話させる暇さえも与えないほどに


「なにがあったんだ?」

突然の行動についていけず、頭が真っ白になった

一人取り残されたゾノは、力なく机の上に顔を埋める


「城の外……か。まさか王妃様が城の外に?」


まさかだよな?


いや、あり得ないよな


だって、王妃様の体質を考えると、城の外にいる事はとてもまずい状況になる


だがそのまさかだったら?


「……」


額にいやな汗がつたう


「誰いないか!ロキを、ロキを連れてこい!!」

嫌な予感が的中しなければいいのだが……


ゾノの不安は募る一方だった