そして天使は闇へ堕ちる



一時間後


相変わらずゼロは書類と時計を交互に見ていた


もう行けよ!……って言いたいゾノであったが、素直に聞くゼロではない

ここは言うべきかどうか悩んでいると、ぴたりとゼロの動きが止まった


「へ、陛下?」


それの姿はまるで、時が止まったかのように思えた


「ザゾノア」


「な、なんだ?」


嫌な予感がする


「先程残りは全部すると言ったな」


「いやぁ……全部とは言ってないが?」


「どちらにせよ変わらん。後は頼んだ」


「は?ちょっ、待った!何でそんな……」


抗議の声をあげようとしたが、ゼロの横顔を見た瞬間、ゾノの口は固く閉じられた


今まで見たことがないくらい怒りを秘めた表情


目の前の者を今にでも殺してしまいそうなくらい恐ろしいオーラを放つゼロ