「と、思ってたけど……ここはどこー!?」
気づけば城の外へと連れて行かれ、見知らぬ街にと来てしまった
「私、門をくぐった記憶がないのですが」
「あれは僕専用の秘密通路だから。誰にも言わないでね」
困惑状態のリュリュカはシェゾの言っている事が全然耳に入ってきてなかった
「聞いてるかい姉様」
固まったままの姉の顔を覗き込み、様子をうかがう
「ほら行こう。早く帰ってくると陛下と君に約束したからね」
「あ……」
リュリュカの手を取ると、紳士的にエスコートをするシェゾ
本当に兄弟なのかしら…
その姿を見ると確かに似ているが、対照的な兄弟だとリュリュカは思った
雰囲気や髪や瞳の色は同じであっても、中身は全く異なっている
「姉様はどこに行きたい?」
「どこでも構いません」
「そうか。なら……街の中を案内しようか」
握られた手が、冷たい

