その日。 羅未の声に、あたしは玄関を開けた。 ポストを確認するフリをして、おかえりの合図をするため。 でも―― 「よいしょっと」 ライトの車なのに。 小悪魔1人が、現れたんだ―― あたしは動けなくて。 バチ、目が合う。 駄目だよ。 ダメ―― 「ふ~ん。やっぱり」 小悪魔が高い声で言った。