--------当麻side----

優空は俺の試合を見に来てくれた。
本当は知ってたんだ、その日に白坂先輩も試合があるって。けど来てくれたから本当に嬉しかった。けど・・・優空は笑顔を作ってるけどその笑顔は嘘の笑顔。頑張って笑顔を見せている

「ぁっあのさ・・・」

「何?」

俺の目を真剣に見つめている優空。何を言うかは大体分かってる

「・・・ゴメン!当麻!あっアタシ・・・」

泣きそうな顔をして何度も何度も謝る優空

「・・・行くのか。先輩の所」

「ぇ?」

手を握って優空を見つめる
優空の顔は“先輩の元へ行かなくちゃ”って顔に書いてるぐらい表情に出てる

「やっぱ、先輩には負けんのかよ」

「とっ当麻・・・ゴメン!」

「謝るな。みじめな気持ちになるから」

本当は行くなって、ちゃんと試合を見ててって言いたい。
けど俺・・・そんなに自分の意志を貫けないよ、弱い男だからな
幸せにしたい、けどその相手は俺じゃない・・・


「いいよ。行って」

「当麻・・・」

「早く行かなきゃ間に合わないんじゃねぇ~の」

できるだけいつもどおりの声で言う
これだけが出来る。顔なんか見れねぇよ・・・

「ありがとう・・・」

俺が顔を上げた時には小さくなっていく後ろ姿しか見えなかった