でも、迷ってても仕方ない。
『すでに卒業してて制服風の私服をシュミで着ている女性』とヤマを張ろう。
 その上で、僕=店員の対応は『制服JKにより入店拒否』とする。
 なぜなら、制服シュミの女性ならばリアルJKと間違えられても、怒りはしないハズ。
 もしかしたら喜ぶかも知れない。 
 ポジティブにそう信じよう、うん。


「申し訳ございません。制服ではご入店できません」

「え~っ。いーじゃん、入れてよ!」

「規則ですので……。着替えてからご来店下さいませ」

「え~」


 女性客はぷぅ~っと頬をふくらませた。
 カワイイなー、おいィ!
 小悪魔だよ、小悪魔降臨しちゃったよ!
 僕の萌えが顔に出ちゃったのか、女性客は急ににやりと笑った。
 そしてフロントのカウンターにもたれかかる。
 セーラー服に包まれた大きな胸が、カウンターの上にボヨンッと乗っかった。


「ねぇ~ん、制服のまま、挿・れ・て」


 ちょっ、え~っ!? 待ってぇぇぇ!!
 そんな、『制服のまま挿れて』だなんて!!!
 イヤイヤイヤ、落ち着け!
 女性客は『店に入れて』と言ってるだけで、『制服を着たままアレを挿れて』とか、そんなエロい話じゃない。
 ちょー思わせぶりな台詞と仕種だけれども!
 僕の思春期的脳内変換機能、頼むから止まってくれ!!


「ねぇ~ん、イイでしょ? ちょっとだけだからぁ」


 はわわわわわ~~~~~~~~~~~ん。
 ちょっとだけ挿れちゃおうかな~。
 ……ハッ、違う違う!
 字が違う……じゃなくて、いや字も違うんだけれども!
 店に入れちゃダメだって。
 23歳にしてエロ妄想暴走の僕の脳ミソもダメダメだけれども!!


 そのとき、店長がフロントへ来た。