「おいおい」
こんな時間に校内に生徒が残っているのは問題だ。
俺は慌てて駆け寄る。
「起きろー」
少しくせっ毛の栗色の髪が額にかかり、いまいち顔がよく見えない。
俺は頭をフル稼働させて、この生徒の名前を思い出そうとする。
隣りのクラスではあるが、数学を受け持っているので、確かに見覚えがある。
―――何て名前だったっけ。
えーと、ほら、確か…。
「―――山田」
山田雛。
頭の中で名前と顔が一致してホッとする。
山田は目立つ生徒じゃない。
俺が授業中にくだらないことを言っても、後方の席で穏やかに笑っているような生徒だ。
とは言え、生徒の名前がとっさに出てこないなんて教師失格に違いない。
内心で山田に謝りながら、俺は彼女の肩に手を置く。
「おい、もう20時だぞ?
何やってるんだ」
山田は俺に気付いて頭を上げ、しばし状況を確かめるために周りを見回した後、
「あーっ!」
と大きな声を上げた。
こんな時間に校内に生徒が残っているのは問題だ。
俺は慌てて駆け寄る。
「起きろー」
少しくせっ毛の栗色の髪が額にかかり、いまいち顔がよく見えない。
俺は頭をフル稼働させて、この生徒の名前を思い出そうとする。
隣りのクラスではあるが、数学を受け持っているので、確かに見覚えがある。
―――何て名前だったっけ。
えーと、ほら、確か…。
「―――山田」
山田雛。
頭の中で名前と顔が一致してホッとする。
山田は目立つ生徒じゃない。
俺が授業中にくだらないことを言っても、後方の席で穏やかに笑っているような生徒だ。
とは言え、生徒の名前がとっさに出てこないなんて教師失格に違いない。
内心で山田に謝りながら、俺は彼女の肩に手を置く。
「おい、もう20時だぞ?
何やってるんだ」
山田は俺に気付いて頭を上げ、しばし状況を確かめるために周りを見回した後、
「あーっ!」
と大きな声を上げた。

