僕は生徒に恋をした

―――あぁ。
あれはキャンバスか。

芸術関係には疎くて、全く思いもよらなかった。

それにしても大きいキャンバスだ。

体と同じくらいのキャンバスに向かって、躊躇することなく絵筆を動かす山田に俺は感心する。

山田は慣れた手つきで複数の絵筆を持ち替え、白いキャンバスをたくさんの色で埋め尽くす。

俺は呆気にとられていた。

俺の知っている山田からは想像もつかない。

絵を描く様子も、作品自体も、俺には驚きだった。

さっきまでは、何をしてるのか、声を掛けてみようなどと思っていたが、どうもそんな雰囲気ではなさそうだった。

俺は時間を忘れて山田に見入っていた。

あたりが暗くなり、山田が絵の具を片付け始めたとき、もうこんな時間かと慌てて職員室へ戻った。