「何してるの?安藤さん。学校、遅れるよ」

「うん、そうだね……」


もう一度見れば、少年の姿は既になかった。



その日から、ときどき屋敷の窓から少年が覗くようになった。

不思議なことに、私以外には誰も、彼を見た人はいないのだ。