“もう一回”と言った彼の顔はどこか嬉しそうで――…。 「連君」 さっきとは違ってスムーズに言えた名前。 「……やっべ」 ? さっきより赤い顔で連君は下を向いた。 「……千鶴はさ、ちゃんと初めてだよ!」 ? 初めてになれたの?あたし。 まったく意味が分からない。 「こんなに自分の名前を呼ばれて嬉しいって思ったのは初めてだよ」 次はあたしが赤くなる番だった。