朝、誰よりも早く目覚めた。
アッサの鼾がうるさくて、
二度寝が出来ない。

諦めて顔を洗い、島に降り立つと、
何となく浜をぶらぶら歩いた。
ふいに、何かが光った気がして
思わず振り返る。何だろう……

布靴を脱いで海に入ると、
光る物を探した。
顔に垂れてくる長い髪が
邪魔で仕方ない。
私は足で何かないか探してみた。
すると、あまりにもあっさりと
それを探り当てた。

足で掘り起こそうとすると、
指に指すような痛みが走った。
赤すぎる血が、
澄んだ海水を濁していく。
海水が傷口に沁みて、
私は痛みに呻いた。

怪我した右足を水につけないように、
左足と左手で身体を支え、
右手で身長にそれを掘り起こす。
白い砂に埋もれたそれは、
青い石が埋め込まれた、
綺麗な銀のナイフだった。
さらに辺りを手で探ってみると、
ナイフの鞘も出てきた。

私は服でそれらを拭くと、
腰に差した。
上手く上着に隠れて見えないのだ。